静電気放電 (ESD) のリスクと抑制に関する基本情報
静電気放電 (ESD) による電子部品の信頼性に対する懸念は高まるばかりです。IC チップの製造工場、基板の組立工場、そして市場では、ESD は最終製品の機能性を長期にわたって脅かす要因とされています。
製造環境での回路保護
製造工場や組立工場では、2 つの基本戦略が用いられています。第一に、IC の設計には ESD 保護構造が含まれています。第二に、静電気放電生存性は、静電気拡散性衣類や環境改良(湿度 / イオン化の制御)など、作業環境対策を実施することによりさらに強化されています。これらの対策を適切に実施することにより、人体モデル (HBM)、マシンモデル (MM)、およびデバイス帯電モデル (CDM) の各 ESD イベントタイプにおいて高い効果を発揮することができます。
最終製品使用時の回路保護
HBM/MM/CDM の各イベントで回路が耐えたとしても、最終製品(タブレット、スマートフォン、PC など)がさらされる実際の ESD イベントにおいて問題が生じないという保証はありません。ユーザーによって起こされた ESD イベントは、IEC 61000-4-2 テスト仕様で規定されているもののように、製造工場や組立工場環境に対して規定されたものよりもはるかに厳しいものになります。
ユーザーによって起こされる ESD イベントは、電圧と電流のストレスが増大するため、IC の電気的不具合、または機能喪失の原因となります。このようなユーザーによって起こされる ESD から IC を保護するために、サプレッション製品が通常使用されます。これらのデバイスは IC の基板搭載 ESD 容量を補い、最終製品が重大な静電気放電イベントにさらされた後も確実に機能できるようにします。
リテルヒューズ ESD サプレッサ製品選定とアプリケーションに関する専門知識
回路設計者がそれぞれの回路の特性に応じて最適なサプレッションソリューションを選択できるように、リテルヒューズでは詳細なアプリケーションサポートとセラミック、シリコン、ポリマー技術を含む幅広い ESD サプレッション製品を提供しています。
アプリケーションや回路はすべて異なるため、単一の TVS 技術ではすべての問題を解決することは不可能です。考慮すべき重要な TVS 特性には、キャパシタンス、リーク電流、クランピング電圧、およびパッケージの外形など(サプレッサ技術により異なる)が挙げられます。ガイダンスについては、お住まいの地域のリテルヒューズ代理店までお問い合わせされることをお勧めします。
また、多くのアプリケーションでは基板スペース上の厳しい制限があることを理解しています。リテルヒューズは、基板スペースの最小化を目的とした、幅広い要件に対応できる個別素子とアレイ素子を幅広く取り揃えています。
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