リテルヒューズのサーミスタ技術について

2017年にリテルヒューズが買収した U.S. Sensor Corp.®

リテルヒューズ サーミスタメーカー

2017年にリテルヒューズが買収した U.S. Sensor Corp.® は、最高品質の NTC サーミスタやサーミスタプローブおよびアセンブリを幅広く製造する世界有数の企業です。最先端かつ独自の処理技術を用いて製造される同社の製品は、長期的な信頼性を誇っています。また、薄膜白金 RTD や RTD アセンブリも製造しています。U.S. Sensor のサーミスタや RTD は、世界中のお客様によって、最も条件の厳しいアプリケーションで使用されています。

最先端の技術

市場における競争力を維持し、お客様が指定した要件を上回る製品を提供し続けるため、U.S. Sensor は継続的に最先端のコンポーネント製造設備や、革新的な製品および製造プロセスに関する研究開発に多額の投資を行っています。

一から設計する製品

U.S. Sensor Corp.® は、粉末状の遷移金属酸化物と安定剤の正確な配合によりサーミスタを製造します。これらの化合物はバインダー物質と結合され、独自の技術を用いて処理された後に、優れた品質のコンポーネントやアセンブリとなります。

アプリケーションエンジニアリング

U.S. Sensor のアプリケーションエンジニアリング担当者は、高度なトレーニングを受けた専門家です。担当者は、標準的なサーミスタから選択するか、またはお客様の厳密な要件に適合する特別な装置を設計するかを決定するお手伝いをいたします。シンプルなコンポーネント、プローブアセンブリ、またはお客様の要件に特に適した非標準の抵抗温度特性を示す複雑なネットワークなど、アプリケーションにおいて求められる条件がどのようなものであっても、弊社のアプリケーションエンジニアリング担当者が適切なサポートを提供します。U.S. Sensor の担当者は、30年以上にわたり、最も条件の厳しいアプリケーションに対応する独自の装置を設計しています。

品質

継続的な品質改善の一環として、製造プロセス全体で SPC(統計的プロセス制御)の技術を活用しています。また、総合的品質管理を実践いたします。

製造プロセス

U.S. Sensor は、サーミスタの製造において最先端の高度な処理技術を採用しています。長期安定性に優れ、精密互換性を備えた低コストのサーミスタは、温度検知アプリケーションに最適です。その装置は数多くの回路要件に適合するよう設計された幅広いスタイルで提供されています。

NTC 製造プロセス

NTC サーミスタは、マンガン、ニッケル、コバルト、銅などさまざまな金属酸化物の均質な化合物を用いて製造されます。粉末状の金属酸化物、そして安定剤と有機バインダーを正確な配合で組み合わせることで、製造プロセスの完了時に特定の電気特性が得られます。酸化物 / バインダーの配合物は、装置を使用するアプリケーションに応じて、チップ、ディスク、ウエハー、バーなどさまざまな形状に成形されます。

チップ

温度の測定と制御に使用される精密互換性サーミスタや、ガラスカプセル封止および表面実装装置では通常、小型のチップサーミスタ検知エレメントが使用されます。まず金属酸化物化合物と特殊な有機バインダーから成るスラリーを、平らな表面に正確な寸法で「キャスト」します。「キャストテープ」の厚さはアプリケーションに応じて 0.001" から 0.050" までに対応します。「キャストテープ」を適切なサイズのウエハーまたは基板に「打ち抜き」します。「合格した」ウエハーを高温で焼結し、銀または他の電極材で電極化します。

電極化したウエハーを、アプリケーションによって定められた正確なサイズにダイシングします。必要なチップのサイズによって、通常 1 つのウエハーで 2,000 ~ 20,000 台の装置を製造できます。電気的試験を行ったチップにリード線を取り付け、必要に応じて抵抗のトリミングを行い、カプセル材を適用します。アプリケーションによっては、「リード線なし」のベアチップがそのまま使用されることもあります。また、密閉型(DO-35)のリード線ガラスパッケージや「MELF」スタイルの表面実装パッケージにカプセル化することも可能です。

ディスク

大型のディスクサーミスタや電力サーミスタは、主にスイッチングモード電源で制限された突入電流に使用されます。これらの装置の製造では、打錠プレスを用いて酸化物 / バインダーから直径 0.200" ~ 1.000" 以上のディスクを成形します。正確な分量の粉末を自動的に計測してダイキャビティに投入し、特定の寸法特性に適合する形状に圧縮します。このプロセスにより、装置全体で密度が均一になるとともに、生産工程全体で電気特性が統一されます。「合格」したディスクは高温焼結プロセスに進み、これにより装置の抵抗と温度特性が目標値になります。「焼結した」ディスクは次に金属化されます。厚いフィルム状の銀電極材をディスクの「平面」に焼着し、次に装置での電気接点を可能にします。サーミスタの電気特性試験を行い、装置が希望する抵抗と温度特性に適合していることを確認します。特殊配合のはんだでリード線を取り付け、多くの場合環境保護のためエポキシまたはシリコン樹脂のカプセル材を装置に適用します。

プローブおよびアセンブリ

弊社ウェブサイトに掲載されている標準サーミスタおよび RTD のほとんどは、最も厳しい環境条件下での温度検知にも対応できるよう設計された特殊なプローブハウジングに実装されています。U.S. Sensor の標準プローブハウジングのサイズは直径 0.020” から 0.375” 以上と幅広く、材質もステンレススチールやアルミニウム、エポキシ、ポリアミド、PVC などさまざまです。一部の U.S. Sensor 標準プローブハウジングについては、弊社ウェブサイトの製品ガイドセクションで詳しく説明しています。

リテルヒューズ

1832 W. Collins Ave.
Orange, CA 92867
電話:(773) 628-1000