抵抗接地変換

非接地システムから抵抗接地システムへの変換

抵抗接地は、断続的な漏電によって起こる過渡過電圧からシステムを保護し、漏電の場所を特定する方法を提供します (過渡過電圧が発生すること、および漏電箇所を発見できないことが、非接地システムの安全確保に関して最も一般的な問題です)。

アクセス不能な中性点を持つデルタ結線または Y 結線のソースを変換するには、ジグザグ変換器を用いて、中性点接地抵抗器 (NGR) に接続するための疑似中性点を作り出す必要があります。疑似中性点は NGR にのみ使用され、配電には使用されません。通常の作動中、このジグザグ変換器を通る電流はごくわずかな励磁電流のみです。単相が接地されると、NGR およびジグザグ変換器が地絡電流の経路を提供します。


図 1

設計上の注意 1:NGR システムの PGN シリーズには、指定した場合はジグザグ変換器が搭載されます。
設計上の注意 2:PGN システムには、既存の発電システム(通常は主変圧器またはスイッチギア)への 3 相接続が必要です。 図 1 をご参照ください。
設計上の注意 3:抵抗貫通電流は、システムの容量性充電電流より大きくなければなりません(セクション I 参照)
設計上の注意 4:保護、調整、警報システムは NGR の統合状況によります。PGN-1000 シリーズにはオプションで抵抗モニターを搭載することができますが、PGN-3000 シリーズには抵抗モニターが含まれています。


直接接地システムから抵抗接地システムへの変換

抵抗接地は、漏電によるアーク放電の危険性からシステムを保護し、継続的な作動または順序通りのシャットダウン処理の方法を提供します (漏電は電気事故全体の 95% を占めると推定されています)。電源の中性点を利用できるため、中性点と地面の間の直接接続は接続抵抗器で代用可能です。この抵抗器は、地絡電流を事前設定値(480V システムで通常 5 A)にまで抑制します(システムの容量性充電電流は一般に 3A 以下です)。地絡電流を 5A 未満に制限すれば、漏電に関連するアーク放電事故を防ぐことができます。これにより、最初の漏電が発生しても継続的な作動が可能になります。

抵抗接地 (RG) システムで漏電が発生した場合、電圧シフトが起こります(非接地システムで発生するシフトと同様)。漏電が発生した相では電圧が 0V まで下がり、漏電が発生していない相では接地に対するライン間電圧が上昇し、中性点は接地に対するライン-中性点間の電圧にまで上昇します。

図 2

設計上の注意 1:PGN システムには、既存の発電システム(通常は主変圧器またはスイッチギア)への中性接続が必要です。 図 2 をご参照ください。
設計上の注意 2:電圧シフトには、接地に対するライン間電圧で完全な定格を提供するための装置が必要です。そのためには、TVSS、VFD、メーターなどの再設定または交換が必要となる場合があります。
設計上の注意 3:電圧シフトにより、中性点の分散も制限されます。漏電中、中性点はその電位のため分散されません。単相のライン-中性点間電圧負荷は、1:1 絶縁トランスによって処理されるか、ライン間負荷に変換されなければなりません。
設計上の注意 4:抵抗貫通電流は、システムの容量性充電電流より大きくなければなりません(セクション I 参照)
設計上の注意 5:保護、調整、警報システムは NGR の統合状況によります。PGN-1000 シリーズにはオプションで抵抗モニターを搭載することができますが、PGN-3000 シリーズには抵抗モニターが含まれています。